カリキュラム

必要単位数

修士課程の修了には30単位の履修が必要です。

単位取得の際には、必修講義(フィールド科学総論、生圏システム学特論)6単位に加えて、「生圏システム学実験・研究」12単位を必ず履修する必要があります。残り12単位を取得すれば30単位を満たせますが、この12単位には講義6単位、演習4単位を含める必要があります。

また、指導教員の承認を得て、学部の講義を4単位、他専攻の講義・演習を6単位まで当専攻の単位に含めることができます。

※博士後期課程において所要科目・単位を修得し、かつ博士論文の審査及び最終試験に合格した者には博士(農学)の学位が授与されます。募集の有無をはじめ、科目・単位の取得等については各研究室にお問い合わせください。

授業科目と単位数

必修科目

1.フィールド科学総論(講義、単位数 4)

本科目では、森林、里山、水辺、耕地、海洋など、多様なフィールドを経験するとともに、実地での講義を受けることによって、各生態系の構造や特徴、保全、持続的な利用などについて体験的に学び、理解を深めることを目的とします。基幹講座の教員が担当し、3つのグループに分かれて実施します。

2.生圏システム学特論(講義、単位数 2)

生圏システム学は、これからの地球環境と生物の未来を考え、自然を持続的に賢明に利用・管理・保全するための科学です。本講義では、生圏システム学やフィールド科学における幅広い知識,考え方,技術などを習得します。連携併任教員と附属施設教員が担当します。このうち、演習林と生態調和農学機構の教員は、それぞれの附属施設において、フィールド(現地)での講義を行います。

3.生圏システム学実験・研究(実験・研究、 単位数 12)

修士論文を作成するための実験・研究であり、所属研究室で2年間にわたって履修します。

選択科目

専攻共通の科目(生態統計学)と、各研究室の開講する科目があります。

生態統計学(単位数 2)

生態学分野の研究において必須となっている統計解析手法、とくにベイズ推定や空間解析等についての講義を行います。

 

各研究室の開講する科目は次の通りです。

【生物多様性科学研究室】

生物多様性科学総論(単位数 2)

生態学を機軸とする生物多様性科学の考え方、研究手法、その応用などについて、講義と輪読の双方の形式を交えながら進めます。

生物多様性科学特論(単位数 2)

生物多様性の保全・管理にかかわる実践的な側面について、主に鳥類や哺乳類を中心に講義と議論を展開します。

【保全生態学研究室】

保全生態学総論(単位数 2)

(西暦偶数年開講)「生物多様性の保全」と「健全な生態系の維持」を意識した保全生態学の基本的見方や考え方を学びます。

保全生態学特論(単位数 2)

(西暦奇数年開講)保全生態学に関わる遺伝的研究分野、即ち、集団遺伝学および分子生物学の基礎と応用について概説します。

【緑地創成学研究室】

緑地創成学特論(単位数 2)

(西暦偶数年開講)緑地環境を構成する環境因子の調査・解析手法および緑地環境を理解する上で必要な知識について講義を行います。講義は英語で行うことがあります。

緑地管理学特論(単位数 2)

(西暦奇数年開講)緑地環境の広域的モニタリング・評価手法および緑地計画・緑地管理への応用について講義形式で論じます。講義は英語で行うことがあります。

【森圏管理学研究室】

森圏管理学(単位数 2)

(西暦偶数年開講)森林生態系の実態と管理に関する研究事例などを紹介しながら、森圏管理のあり方について議論します。

相関森林学(単位数 2)

(西暦奇数年開講)森林と人間の関係について、「森林の成立と人為」や「森林をとりまく問題の解決」に関わる実例を取り上げ議論します。

【水域保全学研究室】

水域生態学(単位数 2)

水域を外洋、沿岸、内湾、干潟などに区分し、各サブシステムにおける物理・化学的特性および主要生物群である植物プランクトン、無脊椎動物、魚類の生態および調査・解析方法について講義します。

水域保全学(単位数 2)

人類が水域生態系に与えてきた影響を知るとともに、水域生態系をなぜ保全しなければならないかを考え、その対策について講じます。

【耕地生圏生態学研究室(生態調和農学機構)】

耕地生圏生態学(単位数 2)

耕地生態系において植物が受ける生物的・非生物的環境圧に対する適応能力や防御機能について概説します。また、耕地生態系の機能を活かしながら、食科需要に応える持続的植物生産システムの構築について概説します。

【水圏生物システム学研究室(附属水産実験所)】

水圏生産システム学総論(単位数 2)

多種多様な生物が海という環境に適応し、繁栄してきた仕組みの総合的な理解をめざします。

水圏生産システム学特論(単位数 2)

海の生物の個体維持や種の維持に関わる基本的な生理機構について、具体的な事例をあげて解説します。

【森林圏生態学研究室(附属演習林)】

森林圏生態学(単位数 2)

森林圏のコミュニティを構成するさまざまな生物とそれを取り巻く環境との関係を学びます。

森林圏生物動態学(単位数 2)

森林の構造や種構成が種々の攪乱要因によって時空間的にどのように変化するかを概説し、森林管理のあり方について学びます。

【森林生物機能学研究室(附属演習林)】

森林遺伝子機能開発学(単位数 2)

森林植物の生理機能やストレス耐性機構の遺伝子レベルでの解析やその応用について学びます。

森林生物機能学(単位数 2)

生物的・非生物的ストレスに対する森林植物の個体・器官・細胞レベルでの応答と耐性発現機構について学びます。

【森林圏生態社会学研究室(附属演習林)】

森林圏管理システム学(単位数 2)

森林の取り扱いに必要な情報と施業技術への利用、森林管理・利用システムの技術と評価、改良等を論じます。

国際森林学特論(単位数 2)

世界の森林、森林と水資源、熱帯雨林研究、世界の木材貿易等、国際社会における森林の最新事情を学びます。

森林生態圏管理学特論(単位数 2)

森林生態系が持つさまざまな機能を人間社会との関わりの中で考え、維持、管理、育成、利用する方策を学びます。

【森林流域管理学研究室(附属演習林)】

持続的森林圏経営論(単位数 2)

持続可能な森林経営の理念と現状を解説し、北海道・千葉演習林での実証を通じてそのあり方を議論します。

森林流域管理学(単位数 2)

森林の多面的な機能を概観するとともに、森林生態系と人々との関わりおよび関連した森林流域管理のあり方を考察します。

森林圏水循環機能学(単位数 2)

森林圏における水循環や水資源賦存量の解析方法について解説し、その素過程へ関与する森林の機能を考察します。